It's K's life.

けーくんの備忘録です。2018年夏からケンブリッジのMBAに行きます。三島由紀夫と海老蔵に似てます。

Who is the customer?~公的機関のお客様は納税者??~

 

 

こんにちは。Kくんです。

 

早いもので、入社から一か月余りが経ちました。

配属先はアラビアンな部署で、なかなかゴリゴリしたお仕事を担当してます。

 

そんな私、入社してから頭の中でずーっとぐるぐるしてる問題があります。

 

「僕たちのお客様って誰??」

 

っていう話です。

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1.きっかけ

こんなこと考えるようになったきっかけは、研修です。

研修中、私たちの組織について考えよう!みたいなテーマのプレゼンがあったのですが、そこで「Who is the customer?」っていう質問が講師の方からありました。

「日本国民」やら「途上国の政府高官」とか「現地の市民」など、色々取り上げられたのですが、その場では、「皆常にこの点については考えておこうね~」といった感じでざっと流されてしまいました。

けど、その後の講義やら実際の仕事でもここって結構話にあがるポイントで、特によく出てくるのが「納税者」っていうワードです。

あー、なるほど。国民という抽象的な概念ではなく、実際に僕らの業務の原資をペイしてくれている納税者って概念を用いるのだというところで、ちょっと納得するところがありました。

お役所の説明でも、特に財務省とかは納税者に何ができるのかってめっちゃよくいいます。

 

けど最近感じるのは、本当に納税者って公的機関のお客様としてくくるのに適切な存在の?っていうことです。

 

2.納税者の概念への違和感

納税者ってまぁようするに税金収めてくれている人ですよね。うちの国に。

確かにお金収めてくれているのは一般的に納税者という方々です。
けど、その概念にくくられる方を最優先で捉えると、以下の3つの点で疑問を感じ始めました。

 

①納税してない国民は私たちのお客さんではない??

国民の中でも納税してない人って一定数いますよね。

たとえばホームレスとか生活補助受けてる人とか。

そういう人は私たちのお客さんではないんでしょうか?

確かに、納税は国民としての義務ということになっています。けど、それがどうしてもできない社会的な弱者がいるのも事実です。

別にそこまで真面目に考えなくてもいいじゃんって思う方もいるかもしれませんが、納税者っていう税を支払っている人たちのみをお客さんと捉えて政策やら事業やら進めちゃうと、どこかでそういう社会的弱者って切り捨てられちゃうんじゃないかという懸念は大いにあると思います。

 

②大口の納税者を優先すべき??

逆に大口のスポンサーを優先すべきなのかっていう疑問もあります。

事業を企画する際にくちずっぱく問われるのは、「日本の国益にいかに資するのか。」

けど、実際のところですね、ここでいう日本の国益がもはや日本企業の利益とイコールになってる場合がめーっちゃ多いんです。

確かに、一番大口の出資者ってやっぱり企業なんですよねー。どんなに金持ちの個人ですら、日本では中堅企業の納税額より少ない。

けど、そうするとどうしても近視眼的になってしまい、長期的に見た我が国の利益は無視される傾向にあります。

ひいては、将来世代に多大な負担を、財政面でも政治面でもかけることになってしまう。今朝の新聞で国の借金が今年度中に1000兆円確実に超えるって書いてましたけど、それも一つの現れですよね。過去と現在の納税者(もしくは有権者)の利益優先で国が動けば、苦労するのは将来世代になります。さらに、現在の納税者の中でも一番厳しい立場でお金を絞り出す社会的弱者は無視されうる。そんなあり方を公的機関は目指すべきなのでしょうか。

 

③融資先こそ優先すべきでは??~銀行として~

これはちょっとうちの組織特有かもしれませんが、銀行として融資先の方こそ優先すべきじゃないのっていうお話です。

確かに、出資してくれている納税者は大切ですが、そのお金を運用する先がいなければ組織は成り立ちません。結局融資先は(踏み倒されない限り)お金を返してくれるのですし、負担するのは納税者ではなくむしろ融資先のはずなんですよね。もちろん、出資者は大切ですけれど、出資者ばかり優先するとリスクを取ってチャレンジングな融資はできなくなってしまいますし、融資先からのニーズへ柔軟に対応することができません。融資の際の審査でも、他国の同目的の組織に比べ、出資者を念頭に置いて入念な審査を行う結果、スピード感に欠け、出資者(国民)にとって大きな利益のある案件でも結局中国や韓国に負けてしまう可能性が高くなります。

一緒にプロジェクトを作るカウンターパートこそお客様としてもっとみなされるべきではないでしょうか。

それが行き過ぎると公的機関として更に視野が狭くなるという弊害も否めないかもしれませんが…

 

3.結論

以上、色々書きましたが、結論としては、もっと広い視野でお客様を捉え、公的機関のレゾンテートルを問い直す必要があるのではないか、と思うのですが、ではそれぞれどう設定すべきかはまだまだ答えが見えません。

入って一か月では全体像を掴めるはずもないので、現在設定されているCustomerや私たちのレゾンテートルが正しいのかを含め、日々の業務を通じて色々考えてみようと思います。