It's K's life.

けーくんの備忘録です。2018年夏からケンブリッジのMBAに行きます。三島由紀夫と海老蔵に似てます。

ほぼ隔週けーくん新聞第二号 -新たな決意-

 

どもども、ヨルダンからこんにちは。けーくんです。

 

前回お送りしたほぼ隔創刊号に対しては、たくさんの方からご意見・ご感想をいただきました。

皆様お忙しいところ、温かいメッセージをいただき、本当にありがとうございます。

 

今回もこの二週間での心境の変化含め、見えてきたものを報告させていただきます。

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 写真:浮遊体験@死海

 

******目次******

 

1)隔週所感

2)隔週のハイライト

3)素敵アルジャジーラアナウンサー

 

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1)隔週所感

 A)新たな決意

 若干泣き言めいたことを書いてしまった第一号に対し、たくさんの方からアドバイスをいただきましたが、その多くで述べられていたのが、厳しい状況の中でどのようにして最も脆弱な人々に届くような工夫ができるかを考え、実践すること、それが我々開発屋の仕事なのだという話でした。

 確かに、想定とは異なる人々の意志に、それを仕方がないことと受け止めていました。

 そうではなく、それを前提に、我々が何をすべきで、そのためにどうすれば良いのか、そうした流れを創るための感性を養い、実践するための機会と捉えて海外OJTに臨もうと決意し、今に至ります。

 

 そうした視点で改めて、この国の現状、そしてカウンターパートを見つめてみると、少し異なったヨルダンが見えてきました。

 第一に、経済的に見てこの国をひとえに中進国として括ることは適切ではないということです。

 一人当たりGDPで言えば中進国に該当する規模に至り、金持ちは豪邸に住み、バンバンショッピングセンターを作り、物価は高く、外資のホテルが入っているような国ではありますが、技術力は非常に低く産業も発展せず、職にあぶれた人々が路上でしょうもないおもちゃや花などを売りつけています。

 その多くはおそらく人口の7割に至るパレスチナ難民系やエジプトからの出稼ぎと思われます。 

 職すらない失業者も10%に上りますし、イスラム教の厳しい戒律の下にも関わらず、一定数の乞食がいます。(ロマという説もあります)

 田舎の方などに行くと、一体どうやって彼らの経済は成り立っているのかと不思議になるほどの状況。

 そうした状況下で、パンなどの必需品を除く物価は日本並みのこの国。

 非産油国、水不足のこの国は、電力も水も貧者には非常にアクセスしにくい状況にあります。

 貧困と富が同居するが故に中進国というカテゴリーに入っているものの、目を凝らせばむしろ実際には貧しさがそこかしこにあります。

 

 第二に、ヨルダンという国のアイデンティティ維持と開発とのバランスの難しさです。

 上述の通り、ヨルダンの人口の7割はパレスチナ難民で、シリア難民ももうすぐ一割に達しようとしています。

 表面的には王妃もパレスチナ人シリア難民もオープンに受け入れて、パレスチナ人の富豪、官僚も多数おり、寛容な国に見えます。貧困対策も政策としてある程度実施されています。

 しかし、実際には少数派のヨルダン人(ベドウィンとしては何とか自分たちの国としてこの国を維持したいという思いがあり、国家としての意思決定に携わるのはあくまでヨルダン系。

 政策としてもあまりオープンに彼らを支援するようなものには慎重であるというのが実態といわれています。

 パレスチナ人の多くはヨルダン人を寛容と受け止め、自らをヨルダン人と最早とらえている人もいるのですが、やはり一線が引かれている状況であす。

 とはいえ、パレスチナ難民キャンプでも、もう普通の暮らしをしているとても幸せそうな家族も沢山いるのですが。

 

 第三に、カウンターパートもひとくくりにはできないということです。

 先週、とある案件の詳細再検討のため、アンマン市の交通行政を司る組織と協議したのですが、その際のカウンターパートは元研修員でとてもやる気のある人で、数時間に渡る協議にも真剣に対応し、自分の熱い想い・ヴィジョンを語りつつ、こちらの意向にしっかりと耳を傾けてくれて、最後はがっちり笑顔で握手することができました。

 しかも、是非アンマンの都市交通を一緒に改善したいということになり、来週、ちょっとしたお仕事を行うことになりそうです。

 前回号で話したカウンターパートはドナーとの調整がメインの組織で、 実際かなりやる気が無い印象の人たちなのですが、それもまたレシピエントを代表する立場という所掌上、仕方がないのかもと少し感じています。

 

 そうして得た新たな視点から、最も苦しい状況下におかれている人々の生活が楽になり、機会の均等につながるような案件を作ることを目指し、想いを共有できるカウンターパートを見つけ、理想を形にすることができる案件創りの実践が我々に求められるのだと今、改めて感じています。

 明日から一泊二日、ヨルダンでもかなり貧しい地域の一つであるゴール・サーフィーで活動する青年海外協力隊の隊員さんを訪ねてきます。

 この国で最も苦難に直面する人々に対し何ができるか、少しでもヒントを得られる機会とするべく、頑張ってきます。

 

 B)シリアと向き合って

 現在、私はヨルダンでの業務のほかに、シリア関係の業務も少しお手伝いさせていただいております。

 色々な国際機関の資料を読み込んで、短期、長期でできることを練ってみたり、反政府勢力について情報を集めたりしているのですが、 先々週行った物価調査のための突撃!お宅訪問で、偶然ドライバーの知人のシリア難民の家を訪ねる機会がありました

 シリアではビジネスに成功し、幸せを享受していた彼らの生活も、今の騒動の中で政府に疑われたために全てを奪われ、命からがらヨルダンに逃げてきました。

 最初は多少の蓄えを持っていたため、アパートをレンタルできていましたが、そうしたシリア人が多数いることによる地価の上昇の影響で、今の生活を維持することも難しくなっています。

 幼い子供が何人もいるのですが、学校のキャパシティは限定的で、未だに誰も学校に通えていません。

 このままでは、シリアにも「失われた世代が生まれてしまいます。

 そうした状況を踏まえるに、ホストコミュニティ支援が重要だと思うのですが、ヨルダン政府としては彼らが居つくことや、ヨルダン人の不満を煽ることを恐れ、なかなか手が届いていない状況です。

 キャンプ外の彼らへの支援はセカンド・プライオリティとも思いますが、何か打つ手はないのでしょうか。

 こちらについてもこの滞在期間に少しでもヒントを見つけたいと思います。

 

2)隔週のハイライト

ü  現在ムスリムはラマダンの期間にあり、カウンターパートも、ナショナルスタッフも作業効率が非常に低下しています。営業時間中でも電話すら出なかったりします。

いやいやありえない、と思っていたのですが、やはり実際に自分も経験してみなければいけないと思い、昨日、断食を実践してみました。

午前三時にご飯を食べてから一切、食事も給水も控えて、午後730分まで耐え忍びました。1時くらいに激しい睡魔に襲われたのですが、意外と腹の減りはそこまで激しくなく、喉の渇きも限定的です。

相当量の食事と給水を午前三時に行い、今日はずっとオフィスにいたため大丈夫だったのではないかとも思いますが、

意外とイケるじゃん!というのが正直な感想でした。

ヨルダンで長年働く職員さんにもヨルダン人ビジネスマンは普通に仕事していると聞きますし。

んー、意外とラマダン中でも上手くやりくりできるのではないだろうかと思いましたが、一か月継続して実践するのはやはり難しいのだろうとも思い、少しは共感を覚えられたけーくんでした。

 

ü  初めての死海に行ってきました!恐ろしいほどにビーチで塩が結晶化しており、非常に美しかったのですが、一舐めすると苦いどころじゃないひどい味が待っていました。おまけに、目に少し入ってきて激痛。

 塩分濃度20度マジ半端ないです。

 そんな死海、ヨルダン側には平日の夕方にも関わらず、そこそこの人が集まっていました。

 のどかな夜だなぁと思う一方、パレスチナ側では家を追われ、入植され、今もConflictの中にある人々がいるのかと思うと、切ない気持ちになりました。村上龍の小説に「海の向こうで戦争が始まる」という作品があったのをふと思い出しました。

 

3)素敵アルジャジーラアナウンサー

 今週はインドからKrishna(?)というおしとやか系、センスのいい感じのレポーターさんを紹介しようと思っていたのですが、動画を見つけることができませんでした。

 日本だとお気に入りのアナウンサーの動画をまとめてYoutubeにアップしている方がたくさんいるのですが、そういう文化は海外にはあまりないのでしょうか??

 次回で企画倒れになる可能性も出てきましたが、ご愛嬌ということでお許しください。

 

かなり長文となってしまい、失礼いたしました。

また二週間後くらいにご報告させていただければと思います。

何かご意見などございましたら是非ご連絡ください。

 

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

けーくん