It's K's life.

けーくんの備忘録です。2018年夏からケンブリッジのMBAに行きます。三島由紀夫と海老蔵に似てます。

ほぼ隔週けーくん新聞 第3号 ゴール・サフィ訪問記

どもども、こんにちは。ヨルダン海外OJT中の池上です。

 

ヨルダンはラマダン明け休みも終わり、漸くお昼ご飯に困らない日々が訪れました。

 

海外OJTも一月半が経ち、いよいよ折り返し地点。

今回もこの二週間のレポートをお送りさせていただきます。

 

 

******目次******

 

1)隔週所感

2)隔週のハイライト

3)素敵アルジャジーラアナウンサー

 

**************

 

1)隔週所感

 A)ゴール・サフィを訪ねて

 

 

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 こちらの写真を見てどう思いました?

 おや?ちょっと肌が黒めじゃない?と思った方!!

 そうなんです。彼らはかつてプランテーションのためにスーダンエチオピアから連れて来られたアフリカ人の子孫なんです。

 彼らの住む地の名はGhor Safi。ヨルダン最貧の地の一つです。ここに僕は協力隊員のお一人を尋ねて一泊二日の国内旅行で訪れました。

 目的はボランティアの現場を知ること、そして中進国ヨルダンにある貧困を知り、何を我々がなすべきなのかを考えるヒントを得ることでした。

 

 ボランティアの現場は職業訓練センター。こちらでは大学に進学するレベルの学力の無い中学卒業生に、自動車整備、溶接、美容などの職業訓練を行います。

 彼はそのセンターのマネージメントに携わり、最貧地での雇用創出をミッションとしていますが、中卒なのに読み書きすら出来ない生徒がいたり、学習意欲が無かったり、製造業への3K意識が強かったりと、雇用になかなか至らないのが実態ということでした。

 教師の方も、企業勤務に比べて低い給料の影響もあり、意欲を持てなくなってしまっているとか。

 企業の方も地元雇用に貢献したくても、「危険」すら読めない、意味が解らない、ということではちょっとどうしようも無いという話でした。

 

 職業訓練センターを後に、村をプラプラ歩いていると、色んな人から呼び止められ、話してみました。

 一ヶ月の所得は15,000円くらいで、子供の面倒も見ないといけずにギリギリとか、職すらなくてひたすらゴロゴロしてるとか、

 トマト農家で10kg100円くらいで買い叩かれるとか、ほんとにすごい生活です。けど、不思議なことに何とか生活できてるんですよね。

 農家が多いから自給自足できるのかなとも思いましたが、この辺のエリアはかなり大家族が多く、困った時は相互扶助の精神が働いて支え合っているという側面が強いかな、という印象を受けました。

 

 夜はボランティアの中田さん(仮名)のお宅に泊まり、ゴール地区での雇用をどう創ることができるのか色々とディスカッション。

 中田さんはなんと大学が僕の実家のすぐそばということで非常に話が盛り上がりました。

 やはり、産業育成や投資を呼び込むためには基礎教育、とりわけ道徳教育とか意外と大事なんじゃないかという話をしたり

 やる気のない大卒教員がやる気のある高卒教員より給与が低いのはいかがなものかという話をしたり。

 大変興味深く、やはり現場に行かないとその国の全体像、細部を掴むことは出来ないなぁと感じました。

 (星の王子様でサンテグジュペリが「大切なことは目に見えない」と述べておりますが、その通りですよね)

 

 そんなゴール・サフィでの2日間。開発屋の卵の私にとって、そこには沢山のヒントが詰まっていました。

 中進国の罠に陥らないようにし、また、中進国の罠からの脱却を図るには、所謂底辺の社会での教育・所得レベルの底上げが肝要ではないかと思ったり。

 中進国でコミュニティの相互扶助を活用した貧困地帯での初等・中等教育の充実化は結構面白いトピックでは無いのかなと思ったり

 その辺を確かめるために、もう何度かゴール・サフィやパレスチナ難民キャンプといった最貧地帯を訪れ、アイデアをブラシュアップしてみようと思います。

 

 B)最早新人ではない。

 先週、今週と2回ばかりカウンターパートと打ち合わせをしました。はい、一人でです。

 簡単なアイディア聞いてくるだけで大丈夫だから!と言われて、「あへー、そんなもんなら」とお遣い気分で行ったところ、

 調査の仕組み、我々の提供するスキームの仕組み・上限、我々の交通分野での経験・蓄積など、詳しく聞かれてしまいました。

 日本での研修、打ち合わせ前の準備で少しばかり勉強したつもりだったのですが、細かいところが分からず、

 教育係、指導係の大先輩方に電話で指示を仰ぐという申し訳ない結果に終わりました。

 「OJT中の新人だしー」という甘えがあったのかな、と思います。

 ただでさえ調査分野の専門性がなくて話についていけないところがある中で、自分が提供可能なサービスの内容すら知らないとか、

 職員のバリューゼロでしょ、と猛反省でした。

 ただでさえ新人に見えない老け顔のわたくし、中身も追いつくため、「最早戦後ではない」ではありませんが、

 「最早新人ではない」という意識で業務に取り組む所存です。

 

3)隔週のハイライト

ü  本部では「実はポッチャリ体型」を指摘されることが多かった私。健康診断でも尿酸値の高さが指摘されておりましたが、ヨルダン事務所でも定期的な運動の必要性の指摘があったため、最低週3回の運動をマストにし、日頃のランニングに加え、ゴルフ、テニス、筋トレと、肉体改造に励んでいます。目指すはアンマンマラソン完走(42.195km104日=帰国日)。

 

順調に体力がついてきたところ、イード期間に隊員企画の旅行があったのですが、その日運動不足に陥らないようにと、調子に乗って朝から40分間全力でプールでクロールとバタフライをしてから参加したところ、まさかの直射日光の下砂漠を歩くというタフな旅行だったため、体調を崩してしまうという悲劇に遭遇しました。

夜中は美しい星を眺めるはずだったのに、トイレに籠るというある意味記憶に残る夜でした。

体調管理って、大事ですね。

 

ü  日本人テニス会で下手くそな私にご指導くださる民間の諸先輩と飲んでいたところ、

現地法人社長のお偉い方から我々の組織に対して色々ご意見がありました。

我々は(ヨルダン事務所に限った話ではなく、)日本の外交の実行部隊であるにも関わらず、何を目指し、何を展開しようとしているのか、その意志がどこにあるのかなかなか見えず、企業としては絵を描きづらいという話でした。

何をほかの企業さんに打ち込むかは政府との関係や、コンプライアンスの問題もあるし、それは仕方ないことかと思います、と言おうかとも思ったのですが、流石にやめておきました。

けど、社長さんがおっしゃることもやはり一部あって、ヴィジョンを提示し、官民の協同関係を構築することは特に今後の国際協力において非常に重要な話なのかなぁと思いました。

情報発信、難しいですね。

 

 

4)素敵アルジャジーラアナウンサー

 すいません、我が家のテレビが壊れてしまい、衛星放送が映らなくなってしまい、アルジャジーラ見れなくなってしまいました。

 というわけで、アルジャジーラではありませんが、日本のフリージャーナリストのご紹介です。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130820-00010000-wordleaf-int

 

 山本美香さん、昨年の昨日、シリアの戦火の中で凶弾に倒れました。

 我々とは異なる方法で平和の創造に志を立てる戦場ジャーナリストの彼女のメッセージは響くものがあります。

 

それでは最後に、山本さんに追悼の意を表し、筆を置きます。

この地に平和が訪れんことを願って。