It's K's life.

けーくんの備忘録です。2018年夏からケンブリッジのMBAに行きます。三島由紀夫と海老蔵に似てます。

MBA三分の一経過。振り返り、そして。

あっ、と言う間。

 

そう、本当にあっという間に3ヶ月が過ぎていった。

 

9月に入学したケンブリッジMBAも、3つある学期のうちの最初の学期が遂に終わってしまった。すなわち、三分の一(以上)が経過。恐ろしい時の流れの速さに、目眩がする。 

ブログを書くと宣言したものの、想定以上の多忙さに全く時間無く、入学後一度も記事を投稿せずに今に至ってしまった。これはいけない。

ちょっと自分の中で思うこともあるので、ここいらで一度翔ぶが如く過ぎ去りしこれまでの3ヶ月間を振り返った後、残りのMBAどう駆け抜けるべきか、整理したい。

まず、ケンブリッジMBAの様子がどんな感じか、よく聞かれるので以下ざっとお伝えしよう。

  1. 授業

学生の本分、授業。MBAへの進学を選んだ理由の一つには授業を通じて幅広くビジネスで必要なハードスキル(ファイナンス、統計等)を学びたいというモチベーションもあったため、ビジネス経験の豊富な他の学生と比べて期待値は高かったと思う。

3ヶ月間授業を受けて、現時点で総合的にはポジティブな評価を持っている。ファイナンスコーポレートガバナンスの授業はおそらくケンブリッジでも最もクオリティの高い教授が担当しており、素人の私にも分かるように非常にわかりやすく講義が進んだ。何より、欧米のMBA名物とも言える学生の積極的な授業への参加が想像していた以上に面白い。国籍はコロンビア人からウクライナ人、職歴はマッキンゼーから映画ダイハードの監督の助手まで、様々なバックグラウンドの学生が堂々と(時に間違ったことも言いつつ)興味深い意見を発信する。中には日本人の常識を覆すレベルのKY具合な学生も存在するが、それをうまく処理する教授とのやり取りも面白い。

ただ、当然全ての教授がパーフェクトとはいかない。ケンブリッジが他のMBAに比べて強いと言われている分野にアントレプレナーシップがあるのだが、学生の評価はあまり高くない。組織論の授業等も感銘は受けなかった。計算の仕方が分かれば良いだけのハードスキル系の授業に比べ、これらのソフトスキル系の授業は教えるのが難しい面もあると思うが、MBAの価値としてソフトスキルを磨くことができると言うのは大きな魅力のはずなのでもう少しクオリティが上がれば良いな、とは思う。

  1. グループワーク・課外活動

ケンブリッジMBAの売りの一つに、実践的な学習と言うのがある。メインプログラムの中でグループワーク・ケーススタディーを用いて講義で学んだ内容を実践し、理解促進・知識の定着を図ると同時に、プログラム外でも課外活動を奨励し実践機会を増やすものだ。

グループワークも幅広く、統計データの分析やディシジョンツリー作成といった基礎的な内容もあれば、Facebookの株価の妥当性を評価せよと言うなかなかハードなものまであった。その中でも特に印象深いのが大学も推しているケンブリッジベンチャープロジェクトで、3ヶ月間五人一組でチームを組んで課題に取り組むというものだ。私の場合はイギリス人、アメリカ人、イタリア人、メキシコ人と某欧州軽自動車メーカーの自動運転市場参入に関するコンサルティングを行った。グループによってはメンバー全員マイルドで何ら口論も無くフレンドリーに進む場合もあるのだが、逆に個性的なメンバーが多くて大喧嘩でプロジェクトを終える場合もある。うちのチームの場合はなかなか個性的なメンバーかつ多忙過ぎて何ら機能しないメンバーがいたりもし、ドラマティックな展開が続いた。書き始めると長文になるので詳細は割愛するが、自動運転というホットなトピックについてダイナミックなメンバーのチームと英語で一緒に取り組むというのはなかなか刺激的な経験だった。

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ダイナミックなグループメンバーらと。

加えて課外活動も多くの機会が溢れている。MBAの中でも20以上のビジネス系のクラブ活動が存在するが、それに加えてケンブリッジの大学全体でも幅広いクラブ活動がある。私の場合はMBA内でアジアクラブ、アフリカクラブ、アントレプレナーシップクラブ、ソーシャルイノベーションクラブに所属している。アジアクラブでは代表に選出され、70名の同級生の期待を背負ってイベントを企画している。MBA外でもテニスクラブとワインソサエティに参加し、ヨーロッパ流の社交を学ぶ機会が提供されている。また、ビジネスコンペへの参加も盛んに行われている。普段クラス等で関わらない同級生とチームを組んで共通の関心分野に取り組む貴重な機会である。かくいう私も同級生らと2つのコンペに応募して(一つは自分のビジネスアイディア)選考を突破し、2月にはアメリカとタイに招待されている。

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アジアクラブでの打ち上げ。

他のMBAの中には大学の定めるプログラムをこなしているだけで時間が無くなるところもあると聞くが、ケンブリッジについてはこういった様々な機会の中から自分の関心領域を選びつつ、ダイバーシティの中でのチームワークとリーダーシップを実践する機会が与えられるのは素晴らしいことだと感じている。

  1. ネットワーキング

これは想像以上だったというのがネットワーキングの機会の多さ。MBAのバリューとしてコネ作りを挙げる人は一定数以上いるが、ケンブリッジでのネットワーク機会は恐ろしいほど多い。

まず、MBA内でのネットワーキング機会は上述の通り。200人全員十人十色で面白い。基本パーティー好きな人々のため、毎週どこかのタイミングで誰かと飲んでお互いを知る機会がある。プログラム側も学生向けのイベントを定期的に企画し、意図的に交流の機会を提供している。

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ハロウィンパーティー孫悟空に仮装しました。

加えてMBA外でも機会に溢れている。ケンブリッジでは学生は学部を超えて特定のカレッジと呼ばれる組織に必ず所属する必要がある。ホグワーツのグリフィンドール・スリザリンのようなイメージだ。このカレッジでも定期的にイベントが行われ、そこでMBA外の学生との交流機会が提供される。デンマーク人の弁護士からエチオピア人の公衆衛生政策系の学生(WHOとかのイメージ)まで幅広く交われる。それ以外にもブロックチェーンに関するイベント、アフリカに関するイベント、スタートアップ立ち上げに関するイベントなどなど、毎日何かしら行われており、知識を得つつ共通の関心を持つ人々とネットワーキングすることができる。

 

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カレッジの入学式。厳かとはこのことか。

以上、非常に素敵な機会に恵まれている。安定したキャリアを捨てて貯金をはたいて来た私だが、投資に見合った価値のある、極めて良い環境だと個人的には思う。

そうした中で私自身のパフォーマンスはどうだっただろう?悪くはないが、結局満足すべきではない、というのが正直な評価だ。

授業と課外活動についてはそれなりに努力できたと思うし、結果も出せていると思う。バックグラウンドの無い分野での英語での高速授業と生徒と講師のやり取りは正直キャッチアップが難しかったが、その分これまでの人生でやったことがないくらい予習・復習を行うとともに、素晴らしい同級生たちにフォローアップを行ってもらえたおかげで何とかついていけている。講義中もなるべく積極的に発言しようと努め、積極的にプレゼンスは発揮できているように思う。課外活動でも上述の通りアジアグループのリーダーになり、ビジネスコンペ参加をリードし、機会を掴めていると感じる。リーダーシップの機会は今後も積極的に掴んで行きたい。

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MBAの同級生らで参加したケンブリッジ10kmミニマラソンの後。45分くらいで走れて満足。

他方でグループワークとネットワーキングについては課題が残っているように思う。ビジネスバックグラウンドの無い私にとってハードスキル系の授業の英語でのグループワークはなかなか難しく、リーダーシップはまずもって発揮できなかったし、的外れな発言をすることを恐れて発言を控えてしまい、まともに付加価値を提供することもできていなかったことがあったように思う。厳しい環境の中でも何らか食らいつかなければ、学びも限定的なものとなろう。間違うことを恐れずに積極的に発言し、グループにコミットしたい。

次にネットワーキング。MBAに入学前に、目の前に転がる機会が多すぎて取捨選択が難しいという話を仲の良い友人からされたことがある。その時は正直あまりピント来なかったのだが、ケンブリッジでは正にそれを感じる。常に複数のイベントが同時に開催されており、その中でどのように優先順位をつけるかが非常に重要だが、去年は十分にできなかったように思う。また、知見の無い授業についていけるか懸念しすぎて必要以上に予復習に時間を充ててしまったようにも感じる。たった一年のMBA、どうすればその価値を最大化できるかと考えれば、世界の最高学府であるこの街でもう少しネットワーキングに注力する必要があるだろう。

 

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カレッジでの夕食会。

MBAも残り半年。次の学期では失敗を恐れ無い積極性とプライオリティをテーマに、より一層の飛躍を目指したい。

なんで、私がTECH: :CAMPに!?

MBA留学するまで一ヶ月ほど時間があったので、国内トップのプログラミングスクールであるTECH: :CAMPに通ってみた。

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え、何で?今更エンジニアになりたいの?と疑問をお持ちの方もいると思うし、興味あるんだけど!どうだった?というご関心お持ちの方もいると思いますので、理由・感想、順を追って説明したい。

 

  1. なんで、私がプログラミングスクールに!?

    エジプトに3年住んでいて驚いたのが、途上国の公的な領域でデジタルが起こす革新的なサービスの発展。例えば、カイロでのUberの急速な普及。赴任当時はまだまだエジプト市場に参入直後で一部の感度高い人しか利用していなかったけれど、2年後には中流階級のほとんどがUberもしくは中東でのその競合であるCareemを利用するようになっていて、人口2000万人を超える巨大都市カイロの脆弱な公共交通網を補完するようになっていた。

    途上国の社会を変えているのはUberのようなメガテックだけではない。エジプトにも沢山の若い起業家がいて、最新のテクノロジーを活用して社会を変えようと取り組んでいた。仲の良かったエジプトの友人に、Google Mapでもデータが取られていないインフォーマルな交通サービス(個人経営のミニバス等)

    の情報を収集して補完するという起業家がいた。途上国の交通網の多くが未だにインフォーマルセクターであることを鑑みれば、その意義は非常に大きい。

    そうした変化はエジプトにも運輸交通分野にも留まらない。他のアラブ諸国でも、東南アジアでも、アフリカでも起こっている。電力・医療・金融・教育等、広範な分野で起こっていることだ。アラブの春の発端がSNSであったことは記憶に新しいが、政治のようなデジタルとは縁遠かった分野でも変化は増えて行くだろう。

    そう、テクノロジーの加速度的な進化によって、数十年程度でシンギュラリティが到来すると言われているが、既に途上国では大きな変化が起きており、デジタル技術は今後その発展を支える基盤となって行く、そう確信するようになった。そして、今後も社会の発展、特に途上国の発展に関わりたい者として、テクノロジーについて少しでも理解を高めたいと感じた。特に、テクノロジーの基礎の基礎になっているプログラミングについて、時間のある今、「エンジニアと話して何となくイメージが湧く」程度には学びたいと考えた。

  2. 何で私はTECH: :CAMPを!?

とりあえず①期間は一週間〜一ヶ月くらい、②価格はMax10万円強、とフィルターをかけて調べてみると、結構スクールも色々とあることが分かった。まとめサイトを見たら20個くらいあって判断できず。中にはフィリピンにエンジニア留学みたいなのもあった。

仕方ないのでFacebookにオススメのプログラミングスクール教えて!と投稿したところ、回答してくれた友人いずれもTECH: :CAMPを推していた。そのうち誰も通っている人はいなさそうだったが、他に決め手になる情報もないし、皆んなが揃って勧めるってことはそれだけ評判が良いのだろうと考え、TECH: :CAMPを選んだ。

ちなみに後から知ったのだが、本田圭佑さんもW杯後TECH: :CAMPを受講したらしい。投資もやって、国際協力もやって、さらにプログラミングまで、、、本田△

 

  1. TECH: :CAMPの感想

と、結構適当に選んだTECH: :CAMPだったが、非常に満足度は高かった。13万円くらい払ったが、全然ペイしたと感じている。その理由を以下に述べたい。

  • 基本、超分かりやすい

もうそのまんま、めっちゃ分かりやすいっす。

カリキュラムは非常に細かく分かれていて、基礎の基礎から始まる。そこから少しずつ積み上がって行くが、全カリキュラムでスクリーンショットを使って丁寧に解説がされている。むかーしむかーし、ホームページ作成の本を読んだときは超分かり難くて挫折した記憶があるのだけど、TECH: :CAMPの場合常に生徒のフィードバックを反映してカリキュラムに改良に改良を積み重ねていて、超分かり易い。

が、もちろんそこには限界もある。文章を読んでも、サンプルのコードを見ても、どういうことか分からないことはある。そんな時TECH: :CAMPの場合常時教室にメンターと呼ばれるエンジニアのサポーターがいて、非常に分かりやすく質問に回答してくれる。メンター間で用いているSlackグループもあり、わからない場合は他のメンターともやり取りして答えを探してくれる。オンラインで遠隔から受講する場合も、すぐに回答してくれる。

僕自身はそこまでは時間と必要性が無くてやらなかったが、オリジナルのアプリケーションを作りたい場合もメンターのサポートを受けながら作り上げることが可能だ。

基本的に脱落者は出ない設計になっていると思う。センスゼロの自分には最高だった。

  • 驚くべきフレキシビリティ

A.場所、B. 期間、C. 内容、これらの点でびっくりするほどフレキシビリティがあった。まず、場所。関東なら教室は山手線沿いを中心に各地にあり、その時々で都合の良い場所で学べる。全国各地の拠点も増えているし、オンラインでの受講も可能だ。今日は新宿で、明日は渋谷で、週末は家からオンラインで、翌週は大阪で、なんてのもやろうと思えばやれる。

次に期間。TECH: :CAMPでは通常コースは一ヶ月間のカリキュラムになっている。初月は入会費128,000円が必要だがその後もメンターのサポートを受けながら学び続けたければ月々12,800円払えば学習を続けられる。それとは別に合宿形式で一週間で学ぶプログラム等もある。私はこの一週間爆速でプログラミンを学べるという売り文句が魅力的なイナズマコースを選んだ。

tech-camp.in

 

イナズマコース一週間でも一通りアプリケーション作成に必要な基礎的知識が得られるし、それから23日間は復習期間として応用的な学習を受けることもできる。

加えて、内容。現在イナズマコース・通常コースだと、①Webアプリケーションコース、②AIコース、③VRコース、④デザインコース、⑤スマホアプリコース(iphone)の5つのカリキュラムを学べるようになっているのだが、仮に最初Webアプリコースの学習からスタートした場合も、途中で他のカリキュラムを学ぶことができる。一旦Webコース中断して、リフレッシュにデザインコース、とかもできる。このフレキシビリティは受講するまで理解できていなかったが、いずれもつまみ食い的に学ぶことができてとても良かった。

  • プログラミングだけに留まらない学び

プログラミングのコードが書けるようになること以外にも学びがある。

例えば、アマゾンのクラウドサービスを使うとかなり楽に作業ができるし、自社でサーバーを持つより安価に開発できることだったり、プログラミングに際してGIT等のサービスを使うとより楽に他のプログラマーと共同で開発ができたり、VR等でのゲーム開発にはUnityのようなサービスが使われていたり、そんなプログラミングの周辺領域についても幅広く知識を得ることができる。また、ウェブサイトのデザインや、パソコンで作成する資料のデザインについてもどういった点留意する必要があるか学べた。プログラミングスクールに期待していた以上の学びがあった。

 

他方で、当然改善点もある。カリキュラムはどんどん改善されて、内容も追加されているが、新しい箇所は説明が不十分な箇所もある。メンターも新しい人が結構いて、クオリティにバラつき無しとは言えない。また、デザインコースに限っていうとメンターは特定の時間にオンラインでしか問い合わせ対応をやっていない。

 

それでもやはり総合すればTECH: :CAMPには投資に見合った価値があったと感じる。絶対苦手な分野と想像していたので、一ヶ月間の学習で期待していたのは、何となくプログラミングのイメージが掴めるようになるといった程度だったが、それを遥かに超える学びがあった。エンジニアになりたいとは思わないが、以前よりも肌感を持って普段触れるサービスと接せられるようになったし、今後に生きる知識が得られたはずだ。受講して良かったと、間違い無く言える。

 

と、ここまででもしご関心あれば是非TECH: :CAMPの説明会に!その際私(池上 京)の紹介とお伝えいただければ受講者側も5%の割引あるし、私もAmazonギフト券もらえるらしいので是非是非おなしゃす。

さよならJICA、はろーケンブリッジMBA

本日、5年強勤めた JICAを退職しました。

5年間、あっという間、では決してなかった。楽しいこともあれば、辛いこともあった。色んな思い出が蘇る。

決して途上国での仕事が嫌になったわけではない。寧ろJICAで働いたからこそ、僕の人生は途上国に懸けたいと確信し、より強く思うようになった。

JICAも大好きだ。素敵な先輩・同期・後輩に恵まれてきた。普通なら味わえないような多くの機会をいただいた。

それでも、JICAを辞めてケンブリッジ大学MBAを取りに行くことを決断した自分がいる。

これから新たな一歩を踏み出す前に、何故JICAを辞めようと考えたのか、ケンブリッジMBAを取りに行くことに決めたのか、振り返りたい。

1. JICAでの5年間

JICAには2013年に入構し、2015年までは日本の本部でイラク・ヨルダン担当として下水・上水・運輸交通分野のインフラ案件への融資や人材育成、キャリア教育といった分野を担った。クルド自治区初の下水処理場建設案件や、ヨルダン初のキャリア教育事業をリードできたのは貴重な経験だった。

その後2015年から2018年までの3年間はエジプトに駐在し、地下鉄や発電所等のインフラ案件への融資や政策策定の支援に携わった。スエズ運河の料金設定のためのモデル策定や、電力自由化に関する助言のアレンジといったダイナミックな仕事は、本当に刺激的だった。

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2. WhyさよならJICA?

では何故JICAを辞めるのか?理由は3つある。

①社会構造の転換へのキャッチアップ

エジプトで3年過ごして驚いたことがある。現地政府の非効率性と、それと真逆のダイナミックなプライベートセクター・個人の動きである。私の担当した地下鉄案件は3年間で1ミリも工事が進まなかったが(※この案件が特殊な案件であったという側面も否めない)、対照的に、UBERの事業が急拡大し今ではほとんどのカイロの中流階級が利用する必須の交通インフラとなっている。また、有望な若手起業家も多くいて、運輸交通や電力のようなインフラ分野でも、社会を変えるんだという意気込みでたくさんの新しいチャレンジがなされている。

そうした動きを目の当たりにし、現在加速度的に進む技術革新とグローバル化により、社会の発展・変革を主導する主体が、国家から企業・個人へと遷移するしていくのではないかと考えるようになった。

では、そこにJICAが携われるか。もちろん動きは出てきている、しかし国際合意に準拠する必要のある政府機関である以上、どうしても途上国政府との間でのGtoGの事業が中心とならざるを得ない構造があると私は感じた。ならば直接的に現地に革命を起こすべく頑張る企業や個人をサポートしたいという結論に至った。
② 自分の意思で自分のキャリアをデザインしたい

実はエジプトは全く希望していなかった駐在先だ。イラクのような紛争国、もしくはサハラ以南のアフリカのような最貧国といった、より支援ニーズの高い国への配属を希望していたが、結果は比較的所得の高いエジプトだった。3年間の仕事で面白い経験も多かったが、アドレナリンが出るほど仕事が面白いと思えたことは、僅かだった。そういった文脈ではその前のイラク担当業務や、学生時代に携わった国際会議の方が、エキサイティングな経験だと感じた。

人生の終わりはいつ突然訪れるともしれない。その時、笑って死ねるためには、本当にやりたい仕事をやりたい場所でやり続けたいと感じた。それは一旦中東の色が付いてしまった自分では、そしてJICAのような比較的お役所のサラリーマンとして働き続けては、難しいのではないか、そう思った。

③日本の政策への疑義

JICAは独立行政法人に位置付けられるが、実態は独立していない。政府の意向の影響はかなり強い。民主党が政治主導を唱えていたが、自民党に戻ってからむしろ官邸のリーダーシップは強くなっている。忖度という言葉が社会を賑わせた時期があったが、それは国際協力の分野でも変わらない。特に、日本のインフラ輸出を現政権は経済政策の柱に据えているが、この政策と日本の国際協力の柱である円借款が結び付けられてしまい、国際協力の実施に際する自由度に大きな制約が生じている。

あまり日本では知られていないが、円借款のインフラ案件の多くは現在日本企業の受注が想定されるものとなっている。中国や韓国、欧米も同じことやってるんだから何で悪いの?日本が利益のない案件作る必要ないでしょ?という声もあろう。だが実態としてこの日本企業紐付け案件が上手くいっていないという状況を知ってほしい。昨今の円借款案件の多くで、入札不調というものが起きている。すなわち、本邦企業が入札に参加せずに不成立となる、もしくは一社のみの応札で価格が高騰し、現地政府の予定価格を超過するという事態が相次いでいるのだ。考えてみてもらいたいが、インフラ案件が一気に増えたとして、製造能力や施工能力をそんなに急に増やすことが可能だろうか?いや、不可能だ。加えて、国内のインフラ需要もオリンピックやリニア等で増えている。そんな中でリスクの拭えないインフラ案件なんて本邦企業も取りに行かないし、取りに行くとしたら大きな利益を求めるのは明らかだろう。

結果、円借款の案件は失敗し、日本の信頼が損なわれている。勿論こうした失敗を重ねて政府も政策に修正を加えてはいるが、一度掲げた旗を降ろすには至らない。そうやって生まれた官製需要により、自由市場が歪められていく。

私はこの自由主義という思想を非常に大切にしている。そこに歪みを生むような社会主義的な政策の実施に加担するのは理念に悖るものであり、どうしても納得が行かなかった。経済政策における社会主義的な思想というのは日本の政策のNatureに近いと私は感じていて、一過性のものとは思えなかったのである。そして、JICAが日本の機関である以上、政府との関係は変えられないのではないか、理念に合わない政策の実行に携わることからは免れられないのではないかと感じてしまった。

3. Why ハローMBA

さて、では何故MBAか?さらには何故ケンブリッジか?

①まず、何故MBAかだが、大きな理由は2つ。

一つはキャリアのオプションの広がり方だ。途上国の意欲ある企業や個人を直接サポート、という文脈だとインキュベーターやPEファンド、テック企業等が面白そうだと思ったのだが、JICAでの5年間のキャリアしかない私の場合はそこに直接飛び込むのは難しいだろう。起業というオプションもあるが、ビジネス経験の無い中でなかなか勇気が湧かない。その点海外の有名MBAであれば一・二年という短期で幅広くビジネスを学ぶとともに、世界中にネットワークを作ることができ、キャリアオプションを大きく広げられる。それまでとは全く違う業界へキャリアチェンジする卒業生も多くいるし、起業する術も学べる。バッチリではないか。

もう一つは海外で働き続ける上で必要なグローバルなチームを率いる能力の向上だ。今後のキャリアは極力途上国もしくはそうした国を総括するグローバル企業の海外オフィスで積む、もしくは現地で企業したいと考えているが、JICAで様々な国籍のカウンターパート・同僚と働く中で、そのためにはインターナショナルなチームをマネージするために必要なマネジメント力・リーダーシップといった能力の向上が不可欠と感じた。MBAであれば幅広いバックグラウンドの同級生ときってはったする機会を多く持てる。

②次に何故ケンブリッジか。正直相当迷った。自慢ではないが、受けたMBA校5校全て合格しており(正確には一校は最終選考辞退)、どこに行ってもきっと素晴らしいキャリアが描けたと思う。さらに言うと、辞退した中にはFinancial Times等のランキングでケンブリッジより高い学校も含まれていた。

その中で最終的にケンブリッジに決断した理由。不確実性とフィーリングに集約される。まず不確実性だが、他のMBAは金融やコンサルといった、The MBAなキャリアを選ぶ学生の多いところがある一方、ケンブリッジはいきなりスタートアップに就職したり起業する学生が一定数いた。学校としてもアントレプレナーシップやテクノロジーを売りにしており、JICAともっとも遠いものを感じた。恋愛でも恋に落ちるのは遺伝子的に構造が正反対であることが多いと聞くが、そうした振れ幅から生じる不確実に、私は恋した。次にフィーリング。これはただただフィリーングとしか言えないが、初めてキャンパスを訪れた時、ここに行きたいと強く感じた。他の学校も面白かったが、街の雰囲気、学生の雰囲気、ケンブリッジの提供するカリキュラム、どれも本能的に、ベストを感じた。ここだ、と思った。

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なお、合格体験記はこちら。

kaigai-mba.com

 

と、非常に長くなったが、そんなこんなで私は今日退職した。

未来は輝かしいのか、まだ分からない。それも結局は自分次第だ。

ここまでお世話になったJICAの皆さんや仕事で携わった多くの方々に胸を張って会えるように、そして、未来の自分が今の自分にこの選択を肯定できるように、まずはこれからの一年をケンブリッジで、全力で駆け抜けたい。

チャリでお遍路行ってみたよ。そのTakeawaysを振り返ってみた。

また書こうと思いますが、5年勤めた国際協力機構を退職することにいたしました。溜まった有休を活用し、7/3-18の16日間、自転車でお遍路をしてきました。

 

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目的は3つ。

  1. 自分を見つめ直す:社会人になっていろんな仕事・人・国・社会と関わる中で、怒り・悲しみ・妬みといった負の感情に心を捉われ、自分の感情の昂りを抑えられなくなることがありました。喜怒哀楽の激しさというのは人間的魅力に繋がるものでもあると思うのですが、負の感情に身を委ねることを是とするようになると、魂の質を下げてしまうのでは無いかとも感じました。動じない自分、正の感情を大切にできる自分になりたい、短いお遍路でそこまで到達できるとも思いませんでしたが、何か得られるものはきっとあるだろうと期待しました。
  2. 宗教・仏教と向き合う:高校の時アメリカに一年留学し、カトリックプロテスタント両方のホストファミリーを経験しました。その頃から社会の基盤としての宗教の重要性を感じていたのですが、社会人になってから中東担当としてイスラム教やコプト教(原始キリスト教的なやつ)にどっぷり浸かる中で、ますます宗教が人や社会に与える影響を強く感じました。カイロでもよく仏教のこと聞かれましたが、適当にしか答えられない。一度がっつり能動的に学んでみようと考えた次第です。
  3. 自転車で旅する:

私はサイクリストです。小学生くらいの頃から毎週末実家の近くの山を自転車で走っていました。大学でも自転車競技部の新歓行ったりしました。これまでしまなみ街道や琵琶湖一周、お伊勢参り熊野古道等々、長距離の自転車旅行は何回か行ったのですが、エジプトに駐在してからの3年間は全然行けてなかったのですね。嗚呼、しっかりと自転車に乗りたい!足をパンパンにさせて山を越えたい!!風を切って坂を下るあの感覚を存分に味わいたい!!!そんな思いが募ったわけです。

 

ということで、退職の前の有休を使って行っちゃったのです、お遍路へ。台風の中。色々と感じたことはあるのですが、ここでは備忘録まで、いくつかTakeawayを残します。

  • 負の感情に自分を合わせないことの大切さ

大雨、真夏、急傾斜、、、多くの障害とぶつかる中、案の定膨大な量の負の感情が押し寄せる。辛い!しんどい!暑い!もうやだ!!最初は自然と口から漏れるこれらの言葉にただ身を委ねるだけでした。でも10日くらいが過ぎたところでふと気づいた。しんどいって言って意味ある?まぁ確かに暑いし足も痛い。でもその負の感情を言葉に出せば、言霊に囚われてもっと辛く思えてくる、、、負の感情に自分自身が合わせて、負けに行ってしまってるように思えました。そこから逆のことを試すようにした。急傾斜の坂で辛いなら、頑張れー!と叫んでみたりとか(人に見られたけど)。もうやだと思ったら、まだまだいける、とマインドセットしたりとか。そうやってみると、お遍路中の辛いポイントも、少しはマシに感じました。

こういう小さな心がけをちょっとずつ積み上げていけば、少しは負の感情をコントロールできるようになるのではないか、そう思いました。

  • 人生山あり谷あり

旅行を人生のメタファーにすることはよく行われますが、今回改めてその気持ちがわかりました。自転車で旅していると、登り坂は永遠にも思えるほど辛い。でもその先に待ち受ける下り坂を風で切って走ると、ああ、やっぱり自転車旅行最高だよ、ってなる。たとえ登り坂に比べて下り坂がどんなに短くても、それでもその一瞬の幸福は、至福の時といって差し支えない。人生もきっとそんなものなんだと思う。そう思えば辛い時期があっても超えられる。その先の景色を見たいと思える。

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  • 仏教とは何ぞ

今回、仏教って面白いと思いました。何が面白いか?私の場合はその多様性。お遍路の88寺院は全て空海が開祖の真言宗なんですね。かくいう私は浄土真宗浄土真宗系(浄土宗と一遍宗も)はいわゆる他力本願の思想。親鸞悪人正機説って聞いたことあると思います。ようするに悪いことしてもそれを悔いて、御仏に救済を祈れば救われるという考え。カソリックに近い。かたや真言宗密教系で、自力本願。祈ることも大事ですが自ら徳を積んで修行し、自分を高めることが求められる。お遍路なんてその最たるものですよね。プロテスタントに近い。同じ宗教と思えないくらいその点考え方が異なる。おまけに真言宗は開祖の空海を若干、神格化している印象がありました。お遍路のどの寺にも、本堂とは別に大師堂という、空海を祀るお堂があって、そちらにもお祈りしないといけない。さらに、お祈りのメインフレーズは「南無大師遍照金剛」。大師って空海のことですからね。空海さんは仏教史上でも類を見ないレベルのスーパーエリートだったらしいので、気持ちはわからんでもないのですが、露骨な偶像崇拝は僕の価値観とは合わないと思いました。やっぱり私は浄土真宗かな。

  • 人は支えられている

お遍路にはお接待という文化があります。お遍路している人に、地元の人が餞別をあげて、自分の分もお遍路してもらうというものです。これが本当にありがたかったです。初日と二日目の夜はお接待で無料で泊めていただきました。翌日以降も毎日何かをいただきました。お菓子、桃、ジュース、お茶、みかん、梅。お遍路最難関の寺の一つ雲辺寺(標高900m)に行く道は本当に地獄のようで、ヤバイとなったのですが、民家の方に庭に招かれて涼ませもらいながらペットボトルのお茶を二つもいただきました。泣けた。

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でもこういった人と人の交わり、気遣いって、別にお遍路だけじゃなくてそこかしこに社会にあふれている。普段もそうした人の優しさに支えられている。それを改めて気づけて、大事にしよう、感謝しようと思えたのは、嬉しい発見でした。

  • ドM以外にはオススメしない

全然話変わりますが、言葉通りです笑 ほんと意味わからん山奥とかに寺多すぎ。ああ、あともう少しで次の寺だ!と思ったら急傾斜の坂に突入したりする。自転車にはほんときつい。何十キロ自転車押して歩いたかわかりません。しかもお寺までの距離が徒歩の場合を想定して表示されている場合も多く、その場合は車道を走る自転車だともっと距離があったりする(直線距離じゃないから)。心折られます。歩きのお遍路と自転車お遍路両方なさった方に聞いたら、歩きの方が楽だという声も。笑 でも今回真夏日だったからなぁ、もしかすると春とか秋とかならそこそこの涼しさで苦にならないかも、、、いや、そんなことないっすね。きっと辛いっす。笑 何回もお遍路回ってる人いるけど、僕にはできない。ガチな人の信仰心すごい。

 

以上、お遍路でのtakeawayでした。最後ドMにしかおすすめしないと書きましたが、それでもおすすめしたくなる素敵な文化だと思います。世界遺産認定も狙ってるようなので是非応援しましょう!

というわけで最後に、南無大師遍照金剛。

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ValuableじゃなくてImpactiveめざそーぜ

こんばんは。けーくんです。

 

お仕事頑張ったご褒美で現在伊豆のお宿に来てます。

 

はい、勿論一人です。

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持ってきた漫画も読破しちゃったし(未来日記の結末、あれどーなんだろう。結局並行世界でハッピーハッピーとかよくある終わり方過ぎてクソだろ。色々伏線張ってたクセに回収の仕方雑いわ。そもそもry)、最近仕事してて感じることを一つ、思考の整理がてらまとめてみようと思います。

 

お題:日本人は目指すべき像を、Valuable人材から脱却せにゃならんだろ

 

色んな人と話したり、知り合いのSNSでの投稿見たり、報道見てると、表現にばらつきはありますが、噛み砕くと、日本の社会ではバリューを提供できる人間になることが目標として設定されがちな印象を受けます。

バリューを提供できるっていうのはとっても大事、っていうか社会人として必要不可欠なんだと思う。

けど、それを最終的なゴールにしていいんでしょうか、っていうお話です。

バリューを提供できる人間っていうのは要するに何かのイシューに取り組むうえでその解決に寄与できる人間のことです。その寄与の仕方っていうのは人それぞれですが、総じて事務処理能力的な基礎スキルを第一に求められ、それを早期に獲得してると褒めたたえられる傾向にある気がします。「あの人は仕事ができる」、と。

そういうValuable人材となることを社会人になりたての若手は目指すように自然と誘導されます。

いや、社会人の若手というか、その前段階を対象とした教育システムが多分そうなっている。基礎教育課程の社会科学はストーリーの無い詰め込み教育とかしているし、自然科学もパターン化された法則を如何に迅速に問題に当てはめるかが勝負になっている。そこに自由な発想は求められていない。ただ、淡々と、黙々と頑張れるかが求められている。そうやって、与えられたイシューを上手く解決することが上手な、Valuable人材の卵ができあがっていく。

 

Valuableっていう単語は普通に和訳すると「価値のある」とか、「貴重な」みたいな意味になる。けど、そこにはもう少し意味があって、「誰かもしくは何かにとって」という、前提がついています。

 

すなわち、既に存在する何かにとっての価値が求められているんです。つまり、使えるやつってこと。

 

というのはちょっと言葉遊びな気もするけれど、そうやってValuable人材が量産されてるのは事実だと思います。

 

Valuable人材は確かに組織にとっても社会にとっても必要。けど、それで十分では決してない。イシューを設定したり、イシューを変えられる人間がいないといけない。そんな存在を僕は勝手にImapactive人材と呼びたい。

イシューの本質を解き明かし、そもそものストーリーをいじくれるような、インパクトを与えられる人間。時にはバリューの無い行動をとることも厭わない人間。そんなImpactiveな人がいないと、次代の変化に組織は追いつけないし、社会は変わらない。

 

マッキンゼーで最年少パートナー(今の僕と同じ26歳の時らしい。んー、すげぇ。)を務めた後独立して活躍する田中裕輔さんも、「インパクト志向」って言葉を使ってインパクトある人材を目指そうぜって言ってたけど、実際働き始めてその意味がよーく分かってきた。

同時に、個人的にはValueとImpactって何となく同じカテゴリーに分類されてたんだけど、ほんとは全然違って混同しちゃまずいってことを強く感じました。

 

Valuable目指すのもいいけど、その先にImpactiveを目指さないと、壁にぶつかるんじゃねーかなって思います。

 

ではどうすればImpactiveな存在になれるのか。最近個人的には、何かしらの意思決定の際にはすべからく、「Impactの最大化を図るには」という思考の下で判断することを積み重ねていくことが重要なのではないかと思っています。

別に、結論としてはリソースがないからできないってことになっても良いんだと思います。けど、まずは制約を除外して考えてみる(あんまり突拍子がないこと考えるのは意味ないですけど)。すると、意外と結果はついてきたりする。

ソフトバンクの孫さんも多分そういう発想でアイディア出して、スプリントの買収みたいなチャレンジを実現できているんじゃないかと思います。

 

正直言うと僕も全然できてないんですけど。どこかでImpactを出そうという発想からは逃げて、安易な道を探そうとしてる。とりあえず体裁が整えばいいってなりがち。

でもそれじゃダメとも気づいてる。多分思考の制約を取っ払って、チャレンジを続けないと、自分の夢を最大限のインパクトを持って実現することはできないんだと思います。だから、ちょっとずつ提案を自分から出して、与えられた仕事を効率化しながら効果を高めるように工夫しようとしてる。まだまだ実を結ぶことは少ないけど、たまにヒットすると嬉しい。

 

そんなわけで、Impactiveを目指して頑張る同志を諸君!仕事が辛い時も健やかなる時も病める時も、インパクトを追求する姿勢を失わないようにしましょうや。

Impactive人材に、俺はなる!!!!!!!!!!(ルフィ風)

2014年の抱負aboutお仕事

2013年大晦日。

 

Facebook上では2013年の総括をしたのだけど、生活全般に焦点を当てたたために、ポイントがぼやけちゃった。

ブログでは一社会人として、お仕事について抱負を語ろう。

 

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ずばり、抱負は仕事を楽しむこと。これに尽きる。

 

友人たちに、「仕事楽しい~?」と聞くと、「仕事は楽しい」と答えられる。実際遣り甲斐あるしね。

けど、仕事を楽しめているか?というとそうではない。

楽しいお仕事に振り回されている感じ。

社会的な意義は大きいし、単調な仕事じゃないんだけど、ロジ系のあんまり得意じゃないこまごました仕事が今結構多い。

しかも結構業務量が多い。

 

慣れない仕事を大量にこなす中で、どうも一杯一杯になってしまっている。

そういう厳しい環境下で、一つ一つの業務を楽しみ、ひいては毎日を楽しむ姿勢を身に付けないといけないと思う。

じゃぁ具体的にはどうすれば一つ一つの業務が楽しめるのか考えてみると、色々工夫できることはある。

例えば、一個一個の仕事で自分なりにオリジナリティーを出してみるとか、超集中して作業をすればどれだけ仕事を進められるかみたいなゲーム化してみるとか、一緒に仕事する先輩から笑いを取るように努力してみるとか。

最終的には自分の心持ち次第なんだろうな。

 

社会人1年目も残り3か月なわけだけど、一分一秒を楽しんで、全ての経験を血肉にできるよう、前向きなチャレンジを続けたい。

It's my style. Happy 2014!!

 

ほぼ隔週けーくん新聞 最終号 -中進国でODAをすることの意義について本気出して考えてみた-

お世話になっている皆様 
  
夜分失礼いたします。ヨルダン/トルコ海外OJT中のけーくんです。 
毎度のごとくここ二週間のレポートをお送りさせていただきます。 
  
******目次****** 
  
1)隔週所感 
2)隔週のハイライト 
3)けーくん新聞社説:今後のシリア情勢はどう転ぶか 
  
************** 
  
1)隔週所感 
 A)トルコでの援助機関の存在意義って何なのか
 以前からお伝えしているように、私は先週から二週間の出張でトルコに来ています。
 帰国後イラクとヨルダンのローン案件を担当する予定のところ、在外事務所でローン事業がどのように動いているのかを学ぶためです。
 
 トルコを訪問するのは初めてであったため、とても楽しみにしていたのですが、実際に来てみてびっくりしました。
 首都アンカラはヨルダンの首都アンマンとは比べ物にならないほど整備されており、久しぶりにまともな高層ビルや綺麗な中心街を目にしました。
 昨年訪れたヨーロッパ諸国の首都と比較しても、見劣りしないレベルです。むしろ、アテネなんかよりよっぽど発展しています。
 ヨルダンでも援助の意義を考えさせられましたが、トルコについても考える必要があります。
 それこそ、全て市場原理に任せるのも一つの解ではないかと思います。実際、トルコ政府はPPPをはじめ、民間資本を戦略的に活用しています。
 
 そうした中、トルコ事務所で私は主にローンに関わる会議や、日本企業/国際機関との面談に出席させてもらっています。
 一週間程度しかまだ過ごしておりませんが、様々な方の話を聞き、この国を目にする中で、実際にはトルコのような新興国において我々ドナーの存在意義は非常に大きいと感じるようになりました。
 トルコにはボスポラス海峡での大橋や地下鉄道のような、国の発展の基盤となるようなインフラを整備する大型案件がありますが、いずれも民間の融資では決して賄えない規模であり、ドナーの支援が求められます。
 また、外国投資を呼び込むためには、カントリーリスクを軽減するようなバックファイナンスがやはり必要となります。特に、発展から取り残され、歴然とした格差が広がるような地域では、まず公的な整備、そのための国際社会の支援が必要となります。その後で当事国が自ら発展を取り仕切り、民間資本が入ってくるような、そうしたストーリーが必要となると思います。(※ヨルダンでもそうでしたが、トルコにも依然として大きな国内格差があり、開発を要する地域が広がります。)
 同時に、よく言われるようにまだまだ日本の知見を必要とする局面も多いと感じます。上述のボスポラスでの各プロジェクトはやはり日本の技術があってこそですし、日本と同様の地震国であるトルコで日本の経験から得られた無形のアイディアを共有することも非常に有用です。それらに対し、市場と比較してかなりの低利で融資を得られるのは大きな一助となります。IMFや商社さんとの面談でも、私たちの支援に対する強い賛同、期待を感じました。
 トルコ滞在は残り4日とごくわずかですが、意義を感じる段階を超えて、具体的にどのようなビジョンを持ってローンを活用していくことがわが社で可能なのか、そこまで思考が行き着くように全力で頑張ってまいります。
 
 B)サルトで専門家に張り付いてみて
 先々週はサルトという町で観光振興の技プロ専門家と一緒にお仕事させていただきました。
 メインの業務は10月第1週に開催されるお祭りのためにアンケートおよび交通誘導方法を考えるというものだったのですが、なかなか楽しくお仕事させていただきました。お祭りの旗で用いる生地を買うために専門家の方と一緒に繊維問屋を訪れたり、お偉いさんの話を聞くためにその秘書さんのお喋りに30分付き合うようなこともありました。
 利害関係者が複数に渡り、かつ、皆非常に個性的&アラビーな気の強さで、まったく異なる意見が飛び交う中、地道にそれぞれのところに足を運んでうまく一つにまとめていくプロセスを経験しました。自分たちが本部で作った紙のTORが、現場ではこうやって専門家やコンサルタントさんの手で形にされていくのかと、知ることができました。
 ちなみに、サルトではかつてローンで観光振興を目的とした博物館、歩道の整備などもやっており、ローンと技術協力をどのように組み合わせ、効果を高めていくかについても考える良い機会でした。
 なお、こちらがサルトの写真です。ヨルダンの中でも非常に素敵な街なので是非皆さんもぺトラに行くついでに立ち寄ってみてください。

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2)隔週のハイライト

  •  自分の価値って何だろう

 先々週の華の木曜日(ヨルダンは金曜がお休みなのです)、5年わが社の前身に務めた後、民間に転職、UNDPで現在働く日本人の方と飲ませていただきました。

 ゼミの大先輩(しかも後からサークルまで先輩だったと判明)ということもあり、色々とお話いただいたのですが、その際以下のようなやり取りがありました。

 大先輩「今回のOJTで一番学んだことは何だい?」

 僕 「現場を重視する現場主義を身に着けたこととともに、そこからたどり着いた理想を実現するためには、政治・ビジネス双方を利用するというリアリストな姿勢もまた得たことです。」
すると、大先輩は言います。「現場主義やリアリズムも大事かもしれないが、それだけではまだダメだ。我々国外から支援を行ういわば第3者に求められているのは、現地にない特別な価値をいかに提供できるかということ。そのために、君はどんな価値を発揮できるのか。自分を磨きなさい。自分だけの武器を磨きなさい。君にしか提供できない価値を創造しなさい。」
 久しぶりにガツンときました。確かに、僕の頭の中には自分が支援する対象としての受益者や、自分がそのために利用すべき環境、手段のことしかなく、自己という存在の位置づけが不明確でした。
 それから自らにずっと問いかけていますが、まだ答えが明確ではありません。「私が提供すべき、磨くべき価値とは何なのか」。帰国までの残り2週間、少しでも磨くべき牙を定めるヒントを探し続けたいと思います。

  • 繋がりを大切に

 何度かお伝えしているように、けーくんはとてもスポーティー青年キャラでOJT生活を過ごしています。特に、テニスはほぼ毎週末日本人会でお世話になっていました。そして先々週、最後のテニス会。ついに自分のサービスゲームで勝利をつかむことができました。(ペアの方がめちゃくちゃ上手かったのは内緒です)

 ヨルダンに来た時は空振りするわ打ち上げるわで散々でしたが、少しは形になってきました。そして最後の練習後、プチ送別会まで開いていただきました。

 「けーくんはKYを直したほうが良い」とか「君の会社は~だ」といったような公私にわたる厳しい意見をいただいたりもしましたが、オジサマ方の愛情を感じた夜でした。そうしたご意見というのは組織の中からだけだとなかなか見えない、いただけない部分があると思います。

 色々な場所で得た繋がりを大切にし、謙虚に他者から学ぶ姿勢を忘れないようにしたいと感じた夜でした

   
3)けーくん新聞社説:今後のシリア情勢はどう転ぶか
 前回の号外に対して反響があったので、引き続き。
 
 今回、私(というか大方のアラビスト)の予測は外れ、欧米による攻撃はなされず、国際社会による化学兵器の管理という方向に動きましたが、シリアについて今後我々はどのようなシナリオを想定すべきなのでしょうか。
 今後のシナリオを考える際、私は3つ重要なポイントがあると思います。
 
 ①化学兵器管理が本当に上手くいくか
 今回米露、そしてシリアが合意した化学兵器管理ですが、本当に上手くいくのか、私は甚だ疑問です。アサド政権は従来、化学兵器など存在しないと主張していましたが、米欧の攻撃が実際に迫り、ロシアが説得に動くと、手のひらを返したように化学兵器の存在を認めました。しかも廃棄に1年間、1000億円という費用を必要とする規模だと言います。外交に嘘はつきものでしょうが、とんでもない規模の嘘をさらりと告白する。そんな政権が本当にすべてのカードをオープンにするかと言えば、非常に懐疑的です。
 アメリカも今回の合意の前提として、化学兵器が本当に国際管理・廃棄されることを挙げており、その前提が揺らいだ場合には引き続き武力行使というカードも維持するとしています。もし一年後、新たな嘘が発覚したり、管理手続きに対しシリアが非協力的な態度をとったり、万一化学兵器が再度用いられた場合には、再び同様の危機に陥るリスクがあります。
 
 ②体制vs反体制派のパワーバランスの変動
 現在体制と反体制派の勢力は非常に拮抗しています。戦闘力もトータルではかなり近いものがあると思います。そうした中で、政権側にとって化学兵器という大量破壊兵器を有していることは大きなカードだったわけです。それが今回、失われることになる可能性が出てきました。もちろん通常兵器で見ても政権側はロシア・イラン・ヒズボラといった勢力から支援を受けており、高い戦闘力を有するわけですが、反体制派のパワーがかなり高まる可能性があります。すなわち、今回の化学兵器の使用を受けて過激派の増員、行動に出ないアメリカに見切りをつけた湾岸諸国やトルコによる自由シリア軍支援の増大が想定されるのです。
 おそらくイラン・ヒズボラは既に出動可能な戦力のかなりの部分をシリアに送っており、増援余地は少ないはずです。そうすると、再び反体制派側が勢力圏を拡大する可能性が高まります。
 (とはいえ、消耗戦が続く現在の情勢がそこまで動くわけでもないとは思うんですが。)
 
 ③ジュネーブ2会合の行方
 現在シリア政府はシリア和平に関する国際会議(通称ジュネーブ2)の場で反体制派と停戦を協議すると述べています。
 これまで同会合への出席に同意していなかった反体制派国民連合も自分たちに体制を委ねる用意が政権側にあるのなら出席すると語るなど、役者は揃う見込みです。
 ここでどのように政権側から提案がなされるかは、上述の①に対する意思や、今後のシリア情勢全体の成り行きを判断する上での大きな材料となると思います。
 
 シリアの戦火が一刻も早く止むことを祈るばかりです。
 
  
というわけで、いよいよOJTも残り2週間を切りました。いやー、早いものですね。
二週間後には帰国しているということもありますので、この辺でこの隔週けーくん新聞も廃刊と致したいと思います。
 
続きは実際に日本でお会いしてお話しできればと思います。
長らくのご愛顧、ありがとうございました。
OJTラストを皆さんの応援とともに引き続き全力で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 
 
けーくん